未到
白隠慧鶴
はくいんえかく
hakuin ekaku
略歴
江戸中期の臨済宗の禅僧で、衰えていた臨済禅を立て直した中興の祖と仰がれる。駿河の生まれで、若くして仏道に入り、厳しい修行と大悟の体験を経て、公案による修行の道筋を整え直した。今日の臨済宗の修行者が用いる公案体系は白隠の系統に由来するとされ、その影響は現在にまで及ぶ。難解になりがちな禅を庶民にも説き、仮名まじりの平易な法語『遠羅天釜』や、病を養生法で治した経験を語る『夜船閑話』などを通じて、多くの人に禅を近づけた。「隻手の音声」の公案でも名高い。書画にも秀で、達磨や布袋、観音などを大胆で親しみ深い筆致で描いた禅画を数多く残し、禅を絵で語る伝統を大成させた。生涯を民衆教化に捧げた稀代の禅者として、今も広く敬愛されている。
未到