未到
井原西鶴
いはらさいかく
ihara saikaku
略歴
江戸時代前期、元禄期を代表する浮世草子の作者で、俳諧師でもあった。大坂の町に生まれ、はじめは自由で奔放な作風の俳諧に打ち込み、一昼夜に数千句を詠む矢数俳諧で名をはせた。やがて散文に転じ、町人や遊里に生きる人々の欲望と哀歓を生き生きと描いて、浮世草子という新しい小説の分野を切り開いた。処女作『好色一代男』で一世を風靡し、金銭に一生を賭ける商人たちの姿を活写した『日本永代蔵』、年の瀬の金策に追われる庶民を軽妙に描いた『世間胸算用』など、恋愛物・町人物・武家物にわたる多彩な作品を次々と世に送った。人の心と暮らしをありのままに見つめたその筆は、近世町人文学の頂点として今日も高く評価されている。
未到