未到
松尾芭蕉
まつおばしょう
matsuo basho
略歴
俳諧を単なる言葉遊びから深い詩情をたたえた芸術へと高め、「俳聖」と仰がれる江戸前期の俳人。伊賀国上野の出身で、若くして仕えた主家を離れて江戸に下り、深川の草庵で「芭蕉」の号を用いた。談林風の軽妙から出発しながら、やがてわび・さびに根ざした閑寂で象徴性の高い蕉風俳諧を確立する。「古池や蛙飛び込む水の音」に代表される句境は、日常の一瞬に永遠を見いだすものだった。生涯を旅に生き、門人曾良を伴って東北・北陸をめぐった紀行文『おくのほそ道』は、紀行文学の最高峰と称される。旅の途上、大坂で病に倒れ、「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」の句を残して五十一歳で世を去った。その芸術と生き方は後世の俳人に絶大な影響を与え続けている。
未到