未到
中江藤樹
なかえとうじゅ
nakae toju
略歴
江戸時代前期の儒学者で、日本における陽明学の祖とされる人物。近江の生まれで、はじめ朱子学を学んだが、やがて知と行の一致を説く王陽明の思想に共鳴し、独自の学問を築いた。とりわけ「孝」を万物の根本とする教えを重んじ、身分を問わず人としての誠を尽くすことを説いたことで、その徳を慕う人々から「近江聖人」と称された。主著『翁問答』は平易な問答体で徳の道を説き、広く読まれた。仕官の身を捨てて故郷に戻り、老いた母に孝養を尽くしたという逸話も名高く、四十一歳で没したのちも、その門流からは熊沢蕃山ら優れた学者が輩出し、後世の思想に大きな影響を残した。
未到