未到
上田秋成
うえだあきなり
ueda akinari
略歴
江戸中期の読本作者・国学者で、大坂に生まれた。幼い頃に病で手指に障害を負ったとも伝わるが、俳諧や国学に打ち込み、やがて中国の白話小説などに着想を得た怪異小説『雨月物語』を著して、日本の怪談文学に不朽の名作を残した。「菊花の約」「浅茅が宿」など九編からなる同作は、幽玄で格調高い文章と巧みな構成で読本の頂点を極めたと評される。晩年には『春雨物語』を著すとともに、国学者としては古典解釈をめぐって本居宣長と激しい論争を交わし、実証を重んじる立場から独自の学識を示した。文人としての多才さと反骨を併せ持った異色の作家である。
未到