未到
四代目鶴屋南北
よだいめつるやなんぼく
yodaime tsuruya nanboku
略歴
文化文政期を代表する歌舞伎狂言作者で、庶民の暗部や怪異を生々しく描く作風で新境地を開いた。長い下積みを経て遅咲きながら頭角を現し、江戸の世相を鋭く映す「生世話物」を確立した。代表作『東海道四谷怪談』は、夫伊右衛門に裏切られ非業の死を遂げたお岩が怨霊となって復讐する物語で、戸板返しや提灯抜けといった奇抜な仕掛けとともに、怪談物の頂点として今日まで上演され続けている。『桜姫東文章』など因果と欲望の絡む複雑な筋立ても得意とし、その退廃的で猟奇的な世界は当時の観客を熱狂させた。近松や竹田出雲らと並ぶ大作者として、七十代半ばまで筆をとり続けた。
未到