未到
太宰治
だざい おさむ
dazai osamu
略歴
昭和を代表する小説家で、青森県の大地主の家に生まれた。恵まれた出自に生涯負い目を抱き、東京帝国大学在学中から放蕩と自殺未遂を繰り返す不安定な青春を送った。芥川賞を渇望したが得られず、井伏鱒二の世話で結婚してからは一時創作に安定を取り戻し、『富嶽百景』『走れメロス』などを著す。戦時中はかえって旺盛に筆を執り、戦後『斜陽』が没落貴族を描いてベストセラーとなり「斜陽族」という語まで生んだ。晩年は『人間失格』で人間への恐れと自己破滅を極限まで描き、その直後の1948年、愛人と玉川上水に入水して三十八歳で世を去った。「生れて、すみません」の一句に象徴される自意識と滅びの美学は、いまなお若い読者を強く惹きつけている。
未到