未到
阿倍仲麻呂
あべのなかまろ
abe no nakamaro
略歴
奈良時代の官人・学者で、若くして遣唐留学生に選ばれ唐へ渡った俊才。唐の都・長安で学び、当時の中国官僚登用試験である科挙に合格して玄宗皇帝に仕え、朝衡(晁衡)と名乗って高官へと昇った。その学識と人柄は現地の文人に愛され、詩人の李白や王維らと親しく交わったことで知られる。幾度も帰国を望んだが果たせず、船が難破して安南(現在のベトナム)へ漂着したこともあった。異国の空の下で故郷を思って詠んだ「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」の歌が『古今和歌集』に伝わり、望郷の名歌として今も広く親しまれている。結局ふたたび日本の地を踏むことはなく、唐の地で生涯を閉じた。
未到