未到
藤原俊成
ふじわらのしゅんぜい
fujiwara no shunzei
略歴
平安末期を代表する歌人であり、藤原定家の父として知られる歌壇の大御所。若くして歌の道に打ち込み、後白河院の命を受けて勅撰集『千載和歌集』を独りで撰進した。その歌論では、言葉の奥に深い情趣や余情を漂わせる「幽玄」の美を重んじ、従来の華やかな技巧よりも、しみじみとした心の深まりを尊ぶ新たな歌風を切り開いた。この理念はやがて子の定家らに受け継がれ、続く『新古今和歌集』の幽玄・有心の世界を準備するものとなった。九十歳を超えて長寿を保ち、当代随一の権威として若い歌人たちに慕われ、後鳥羽院からもその功を賞されたと伝わる。定家という不世出の歌人を育て上げた点でも、日本和歌史における大きな橋渡し役となった人物である。
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