未到
慈円
じえん
jien
略歴
平安末から鎌倉初期の天台僧で、歌人・歴史家としても大きな足跡を残した人物である。摂関家に生まれ、兄に関白九条兼実を持ち、みずからは天台宗の最高位である天台座主を四度にわたって務めた。彼の名を不朽にしたのが歴史書『愚管抄』である。承久の乱が起こる前後の緊迫した時勢のなかで、神武以来の歴史を「道理」という一貫した理法によって読み解こうとし、武家の世が到来したのも歴史の必然であると論じた。その独自の歴史観は、日本の史論の先駆として高く評価される。歌人としてもすぐれ、和歌集『拾玉集』を残し、藤原定家らと交わって新古今の歌壇にも関わった。学識・信仰・政治を兼ね備えた、鎌倉初期を代表する知識人であった。
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