鎌倉初期の華厳宗の僧で、高弁とも呼ばれる。荒廃していた京都栂尾の高山寺を後鳥羽上皇から賜って復興し、華厳の教えと厳格な戒律の実践に生涯を捧げた。長年にわたって見た夢を書き留めた『夢記』を残したことで知られ、その内面をうかがわせる稀有な記録として注目される。法然の専修念仏を批判した『摧邪輪』を著すなど、旧仏教の立場から新仏教に対峙する一方、清廉で戒律に厳しい高潔な人柄は同時代の人々から深く敬われた。