未到
平敦盛
たいらのあつもり
taira no atsumori
略歴
平経盛の子で、平家滅亡の悲劇を象徴する若武者。笛の名手であったと伝わり、祖父から受け継いだ名笛「小枝(青葉の笛)」を携えていたという。寿永三年(1184)の一の谷の戦いで平家が敗走した際、わずか十六、七歳ながら海上の味方の船へ渡ろうとしたところを源氏方の熊谷直実に呼び止められ、組み討ちの末に討ち取られた。『平家物語』は、直実がわが子ほどの年齢の美しい若者を手にかけることをためらいつつ、後ろに味方が迫るなか涙ながらに首を斬り、のちに敦盛の腰から笛を見つけて武士の身のはかなさに世の無常を悟り、出家したと伝える。この哀話は幸若舞や能『敦盛』に脚色され、「人間五十年」の一節とともに広く語り継がれてきた。
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