未到
森鴎外
もり おうがい
mori ogai
略歴
明治・大正期を代表する小説家・評論家・翻訳家で、陸軍軍医としては軍医総監(陸軍中将相当)にまでのぼった、文武にまたがる異色の巨人。津和野の医家に生まれ、若くしてドイツへ留学して医学を修めるとともに西洋文化を深く吸収した。帰国後、留学中の恋を題材とした『舞姫』で文壇に登場し、以後『雁』『阿部一族』『高瀬舟』などの小説から、『即興詩人』の翻訳、史伝『渋江抽斎』にいたるまで、精緻で気品ある文章を残した。夏目漱石と並び称される明治文学の双璧であり、軍医としては脚気の原因をめぐる論争で細菌説にこだわった判断が後に批判されもしたが、その一方で文学・美術・演劇の各方面を横断する該博な知性で、近代日本の知の水準を大きく引き上げた存在として今も高く評価されている。
未到